- 2021.05.29
- 棟下式
埼玉県さいたま市にて『棟下式(むねおろしき)』が執り行われました。
2021年5月吉日、埼玉県さいたま市にて『棟下式(むねおろしき)』が執り行われました。
執り行ったのは、築70年を迎える平屋の民家です。老朽化もあり取り壊すことから、建物への感謝とお別れの儀式『棟下式』を開催されました。
戦後まもなく建てられM様邸には、味わい深いオルガンや、お子様達の幼少期の晴れ着など、廃棄するには忍びないものが多く残されており、新品の食器や小物なども大切に保管されていました。「捨てるしかないね。誰か貰ってくれる人がいればうれしいけれど・・・」そんなお施主様のお気持ちを受け、ご近隣の皆さまへお裾分けをする『棟下市(むねおろいち)』も合わせてご提案させていただき、執り行う運びとなりました。
当日は、式典を祝うかのような晴天のもと、ご家族ご関係者が参列され、武蔵一宮 氷川神社によりお祓いいただきました。清祓いの後は、懐かしい写真をご覧になりながら思い出を振り返っていただきました。今は住宅地となっている一帯もかつては農地や豊かな緑にあふれていたそうです。
式展終了後は、建物の古材を可能な限り再利用すべく古材レスキューを実施。『つなぐば家守舎』の皆さんの協力で、ガラス戸や建具、畳下の床材、桐ダンスなど、たくさんの古材や家具をレスキューできました。お施主様も、どのように使われるのか、とても楽しみだそうです。
『棟下市(むねおろいち)』では、小物だけでなく、代々農業を営まれていたM様邸のお庭に素敵な庭木や草花があふれていたことから庭木や草花のお裾分けも実施。『植木の里親』主宰 やましたグリーンさんにご協力いただきました。開始と同時にたくさんの近隣の方がお越しになり、思い思いに、小物や草花をお持ちいただきました。
お施主様のコメント
「長年住んだうちだから寂しいし残念ではあるけれど、いつかは、早かれ遅かれやらなくてはいけないし、仕方ないね。」(お母様)
「家を壊すことは自分の家の面影が無くなってしまうので、壊すのは残念ですが、感謝の意味を込めて棟下式を開催することにしました」(息子様)
感謝を伝えることができ、気持ちの整理がついたとのお言葉をいただき、滞りなく式を終えることができました。棟下市に来られたご近隣の皆さまに垂れ幕に残して頂いたメッセージも、お施主様にとって思い出のひと品となったようです。
中央グリーン開発では今後もこの「棟下式(むねおろしき)」を、広く業界の新しい文化として広めていくべく取り組んでいきます。
▼これまでの棟下式の様子は、下記にてご覧いただけます
棟下式のオフィシャルサイトはこちらから
今回の棟下式の様子は動画でもご覧いただけます。