- 2022.02.26
- 棟下式
台東区の廃校小学校(旧坂本小学校)にて棟下式が開催されました。
2022年2月26日(土)、27日(日)に、台東区の廃校小学校(旧坂本小学校)にて棟下式が開催されました。当日は晴天にも恵まれ、延べ800名の卒業生や地元住民の方々が来校し、思い出の学び舎との別れを惜しみました。
旧坂本小学校は1926年(大正15年)竣工、RC造地下1階地上3階建て延べ4480平方メートルの規模を持ち、関東大震災後、当時の東京市で一斉に整備された復興小学校の初期の建築で、残存する歴史を語る建築物として、閉校から四半世紀(25年間)に渡り利活用が検討されてきました。
しかし昨年、長年に渡る利活用検討が実ることなく解体が決定。閉校後も、地域のコミュニティ拠点として暫定利用されてきたこともあり惜しむ声が多数寄せられ、誰でも参加できるお別れのイベント「棟下式(むねおろしき)」開催の運びとなったものです。
当日は「最後の見学会」と題して来場者が自由に校舎散策できる時間が設けられました。見学会には、卒業生やゆかりある地域の方々だけでなく、小さなお子様連れや「Twitterをみて」と遠方から来られた方、建築好きの方も多くいらっしゃいました。
また、事前の調査で発見された地下室(戦時中に防空壕として使われていた)や、講堂に隠されていた「御真影」(天皇、皇后両陛下の肖像を飾るもの)等も公開され、戦争と学校の関係についても考える機会となりました。その他、坂本小学校関連映像上映会や、お別れセレモニーも開催されました。
夜の校舎には「光と過去を未来でつなぐ」という意味を込めたライトバルーンを設置。懐中電灯やスマホの照明を足元に当てながら校舎の中へ。校舎に浮かぶライトバルーンを発見し「わあ!」という歓声も。幻想的な風景をたくさんの方が楽しんでいらっしゃいました。
1カ月前から屋外に設置したメッセージボードや、校舎のいたるとことに先生や友達、学校への「ありがとう」のメッセージがたくさん書き込まれており、胸を熱くする思いを共有する時となりました。
今回の棟下式は、「未来に向け、地域の新旧コミュニティをつなぐきっかけの場がつくれたら」、という地域の方の思いからスタートしました。(主催者「入谷の記憶を未来に繋ぐ会」)
旧坂本小学校は残念ながら解体となりますが、解体後も、地域の防災、コミュニティ拠点として敷地が活用される予定となっています。
中央グリーン開発では今後もこの「棟下式(むねおろしき)」を、広く業界の新しい文化として広めていくべく取り組んでいきます。