- 2018.09.30
- 棟下式
埼玉県越谷市にて『棟下式(むねおろしき)』第四弾をご提供しました。
今回施主様は、ご実家をご子息様夫婦の新居に建替えるため注文住宅を建築することとなりご縁をいただきました。建物には施主様のおじい様の代に曳家(ひきや)で曳いてきた蔵がついていて、施主様ご自身が生まれ育った大変思い入れ深いものであるため、当初はリフォームをして住み続けるという方向で検討されていました。しかし構造・耐震・リフォーム費用など総合的に判断し、建替えを決断されることとなったため、感謝の想いと別れを伝える機会として「棟下式」をご提案・執り行う事となりました。今回施主様の意向により、ご親戚の住職をお呼びして仏式による祈祷で室内で着座して執り行われました。
お家やご家族の昔の写真や思い出の品々で飾られた祭壇を囲み、皆さん思い思いの表情でお経を聞き入っていらっしゃいました。
祈祷が終わると住職が振り返り、大変優しい口調で「私にとっても思い出が詰まった家なので、取り壊してしまうのは大変残念ですが、みんなで話し合って決めたことだと思うので、次の世代にしっかりと引き継いでいってほしいです。」と、ご親族ならではの想いが込められた説法を頂きました。施主様も感極まっているご様子でした。
式のあとは数々の懐かしい写真を皆様でご覧になりながら思い出を振り返りました。「あまりかしこまらず、楽しく行いたい」という施主様の想いもあり、笑いが絶えず明るい雰囲気で様々なエピソードを話されていました。
また、先々代から受け継いだ思い入れが深い蔵であるため、居間の雪見窓4枚は新居でリユースをすることに。
ほかにも使えそうなものはできるだけリユースしてほしいという施主様の強い想いを受け、草加市・川口市で地域課題解決を含めたリノベーションなどの取組みをされているco-designstudioの代表 小嶋様に協力をお願いし、お声掛けいただいて集まったチームの皆さんで、蔵のレスキューが行われました。施主様の想いを胸に丁寧に丁寧に、棚や押し入れ、建具を解体していくレスキューチームの皆さん。
施主様は「皆さんが一つ一つ古材を外に運び出して行く時には、まるでそれぞれを養子に出したような気になりました。ちょっと寂しい気持ちもありますが、行く先が決まって本当に良かったと思いました。本当に本当にありがとうございました」と大変喜ばれていらっしゃいました。
空家が社会問題化している現代、「壊して作る」だけでなく「あるものを使う」事が注目されつつある中で、中央グリーン開発ではこの「棟下式(むねおろしき)」とリユースの取り組みを、広く業界の新しい文化として広めていくべく活動していきます。
今回の棟下式の様子は動画でもご覧いただけます。
▶︎棟下式のオフィシャルサイトはこちらから
▼これまでの棟下式の様子は、下記にてご覧いただけます