AWARD
2019
グッドデザイン賞 受賞
2019

棟下式®
(むねおろしき)
建物への、感謝とお別れの儀式、「棟下式」。思い出のある建物だから、最後に「ありがとう」を伝えたい。
現在の日本では、建物を取り壊すときに神主を招いて式典を行うことは滅多にありません。建物を壊し更地にして、また新しい建物を建てる際に、上棟式を行うのが通例です。
思い出のたくさん詰まった古家を壊すのは、誰しも胸が痛みます。その気持ちが取り壊しや売却を先延ばしし、使われない空き家の増加に繋がっています。その想いに区切りをつけるきっかけを作る。建物に感謝して、次の役割を与えていく。そんな文化が広がることを願い、建物のお葬式をパッケージ化しました。現実的な費用で、誰にでもできる式典であることで、この「棟下式」という文化が根付いていくことを願っています。
※合同会社パッチワークスと共同受賞
【審査委員の評価】
評価コメント
建物解体後の気持ちのやり場、その瞬間を想像すると絶妙に腑に落ちる儀式だと思う。クラッシュ&ビルドされる今までの経過を考えると、この様に心にとめる行為は必要だったはず。引き継ぐ以前に今後の立ち上がりに一旦、意味を深め携わる人々の思いを1つに求心する儀式として躯区切りを可視化する。棟上げ式は期待を胸に、棟下式は感謝の形を表す物へと。意味を深める活動として、今後の拡がりに期待しています。